ゼロから始める創業術 Vol.61|競争しない市場を作る|ブルーオーシャン戦略の実践法

ゼロから始める創業術 Vol.61|競争しない市場を作る|ブルーオーシャン戦略の実践法

こんにちは、税理士の林です。
創業間もない事業者にとって、競合がひしめく市場で戦うのは本当に厳しいんですよね。価格競争に巻き込まれ、利益が出ず、消耗するだけで終わってしまうケースも少なくありません。

そこで注目されているのが「ブルーオーシャン戦略」です。これは、競合と戦うのではなく、そもそも競争のない新しい市場を作り出すという発想の転換なんです。

今回は、ブルーオーシャン戦略とは何か、そして創業期の小さな会社がどうやって実践できるかを、具体的にお伝えします。


■ レッドオーシャンとブルーオーシャン|2つの海の違い

まず、この戦略の基本となる2つの概念を理解しましょう。

レッドオーシャン(赤い海)=競争の激しい既存市場

レッドオーシャンとは、すでに多くの競合が存在する市場のことです。魚(顧客)の数は限られているのに、漁師(競合)が多すぎて、激しい奪い合いが起こります。その結果、血で海が赤く染まる様子から「レッドオーシャン」と呼ばれています。

  • 市場は既に存在し、ルールも確立されている
  • 競合が多く、価格競争に陥りやすい
  • 差別化が難しく、利益率が低い
  • 顧客の奪い合いで消耗戦になる

たとえば、飲食店が密集する繁華街での新規出店、美容室が20店舗もある地域での開業などは典型的なレッドオーシャンです。顧客は限られているのに競合が多すぎて、生き残るのが困難なんですよね。

ブルーオーシャン(青い海)=競争のない未開拓市場

ブルーオーシャンとは、まだ競合が少ない、または存在しない新しい市場のことです。誰も漁をしていない青い海なので、競争せずに魚(顧客)を獲得できます。

  • 新しい需要を創造し、競合がいない
  • 価格競争に巻き込まれない
  • 高い利益率を維持できる
  • 顧客は「比較する対象がない」ので選びやすい

重要なのは、ブルーオーシャンは「見つける」ものではなく「作る」ものだということ。既存市場の常識を疑い、新しい価値を提供することで、競争のない市場を創造するんです。

ここがポイント:ブルーオーシャンは「ニッチ市場」とは少し違います。ニッチは既存市場の小さな隙間ですが、ブルーオーシャンは既存市場のルールを壊して新しい市場を作ることを指します。


■ なぜ創業期の会社にブルーオーシャン戦略が有効なのか

資金力、知名度、人材、すべてにおいて大手企業に劣る創業期の会社が、レッドオーシャンで戦うのは不利すぎます。だからこそ、競争しない市場を作る戦略が必要なんですよね。

理由1:価格競争を避けられる

競合がいないので、「あの店より安くしなきゃ」というプレッシャーがありません。価値に見合った適正価格を設定でき、利益率を確保できます。

たとえば、一般的な語学教室(レッドオーシャン)では月謝8,000円が相場でも、「ビジネスマン専門・早朝6時開始の英会話」という新しい市場(ブルーオーシャン)を作れば、月謝15,000円でも受け入れられる可能性があります。

理由2:比較されないので選ばれやすい

顧客は通常、複数の選択肢を比較して決めます。でも、あなたの提供する価値が唯一無二なら、比較対象がないので選ばれやすいんです。

「他にこんなサービスはない」という状態を作れば、顧客は「必要か、不要か」だけで判断します。価格や品質で競合と比べられることがないんですよね。

理由3:先行者利益を得られる

新しい市場を最初に作った企業は、その分野の第一人者として認知されます。後から競合が参入してきても、「元祖」「パイオニア」という強いブランドを持てるんです。


■ ブルーオーシャンを作る4つの実践ステップ

理論は分かったけど、実際にどうやってブルーオーシャンを作るのか。ここからは具体的な実践方法をお伝えします。

ステップ1:業界の「当たり前」を疑う

まず、あなたの業界で「これが常識」とされていることをリストアップしてください。そして、その一つひとつに「本当に必要?」と問いかけます。

飲食店の例で考えてみましょう。業界の常識には次のようなものがあります。

  • 店舗が必要
  • メニューは多い方がいい
  • 営業時間は長い方がいい
  • 内装にお金をかけるべき
  • 接客スタッフが必要

これらを疑うと、「店舗なし・メニュー1つ・週3日営業・無人販売」という新しいビジネスモデルが見えてきます。実際、キッチンカーや無人餃子販売所などは、こうした常識を壊すことで成功しています。

ステップ2:「削減・除去・増加・創造」で価値を再設計する

ブルーオーシャン戦略には「4つのアクション」という有名なフレームワークがあります。

  • 削減:業界標準より大幅に減らせるものは何か
  • 除去:完全になくせるものは何か
  • 増加:業界標準より大幅に増やすべきものは何か
  • 創造:業界にこれまでなかった新しい価値は何か

たとえば美容室の場合、次のような再設計が可能です。

  • 削減:シャンプー・ブロー時間を半分にする
  • 除去:雑誌、ドリンクサービス、世間話を完全になくす
  • 増加:カット技術の質を極限まで高める
  • 創造:完全個室・完全無言のプライベート空間

これで「静かに、早く、高品質なカットだけを求める人」向けの新しい市場が生まれます。従来の美容室とは競合しないブルーオーシャンです。

ステップ3:ターゲットを「今までその業界を利用していなかった人」にする

既存顧客の奪い合いではなく、「その業界のサービスを使っていなかった人」をターゲットにすると、ブルーオーシャンが生まれやすいんです。

たとえばフィットネスジムの場合、従来は「運動好き」「健康意識が高い人」がターゲットでした。でも「運動嫌い」「忙しくて時間がない人」をターゲットにすると、「1回10分・着替え不要・シャワーなし」という新しいコンセプトのジムが生まれます。

これは既存のジムとは競合しません。なぜなら、顧客層が全く違うからです。

ステップ4:「安い+高品質」を両立させる

ブルーオーシャン戦略の真髄は「価値革新」です。これは、コストを下げながら品質を上げるという一見矛盾した目標を同時に達成することを指します。

たとえば回転寿司チェーンは、「安い+美味しい+早い」を実現しました。高級寿司店(高い+美味しい)でもなく、ファストフード(安い+早い)でもない、新しい価値を創造したんです。

あなたのビジネスでも、「顧客が本当に価値を感じる部分」だけにコストをかけ、それ以外は徹底的に削ることで、低価格と高品質の両立が可能になります。


■ ブルーオーシャン戦略の成功例と失敗例

成功する条件

ブルーオーシャン戦略が成功するには、次の条件が必要です。

  • 本当に「困っている人」がいる未解決の問題に着目している
  • 既存サービスでは満たされないニーズがある
  • シンプルで分かりやすいコンセプト
  • 価格と価値のバランスが取れている

よくある失敗パターン

一方で、次のようなケースは失敗しやすいんです。

  • 失敗1:誰も求めていない独自性を追求してしまう(独りよがり)
  • 失敗2:コンセプトが複雑すぎて顧客に伝わらない
  • 失敗3:価格が高すぎて市場が形成されない
  • 失敗4:既存業界の常識を壊しすぎて受け入れられない

ブルーオーシャンは「新しい」だけでは成功しません。顧客にとって本当に価値がある新しさでなければ、誰も見向きもしてくれないんですよね。

注意点:ブルーオーシャンは永遠には続きません。あなたが成功すれば必ず競合が参入してきます。だからこそ、先行者利益を活かして顧客基盤を固め、継続的に価値を進化させることが重要です。


■ まとめ|小さな会社だからこそ、広い海へ

ブルーオーシャン戦略は、資源が限られた創業期の会社にこそ適した戦略です。大手と同じ土俵で戦うのではなく、そもそも競争しない市場を作り出す。これが小さな会社が生き残り、成長するための鍵なんですよね。

実践のポイントは4つです。

  • 業界の常識を疑い、本当に必要なものだけを残す
  • 削減・除去・増加・創造で価値を再設計する
  • 今までその業界を利用していなかった人をターゲットにする
  • 低価格と高品質を両立させる価値革新を目指す

すぐに完璧なブルーオーシャンを作れなくても大丈夫です。まずは小さな実験から始めて、顧客の反応を見ながら調整していけばいいんです。

既存市場に無理に入り込もうとせず、あなたならではの新しい市場を切り拓いていきましょう。その先に、競争のない広い海が待っています。

ブルーオーシャン戦略の活用や事業戦略についてご相談があれば、Fukuoka Startax税理士事務所までお気軽にお問い合わせください。

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