ゼロから始める創業術 Vol.41|売上ゼロから抜け出すには?創業1年目の営業戦略と心構え
こんにちは、税理士の林です。
「創業して3か月経つのに、まだ売上がゼロなんです」——こういったご相談、本当に多いんですよね。先日も、意気込んで独立したIT系の社長から「営業が全然うまくいかなくて、どうすればいいか分からない」とご連絡をいただきました。
実は、創業間もない法人が直面する最大の壁が、この「売上ゼロ」の状態なんです。商品やサービスに自信があっても、お客様に届けられなければ意味がありません。正直に申し上げると、「待っていれば売れる」という考えは、創業期では通用しないんですよね。
今回は、100社以上の創業支援をしてきた経験から、売上ゼロから抜け出すための具体的な営業戦略と、営業が苦手な方でも実践できる方法についてお話しさせていただきます。
■ なぜ「待っていても売れない」のか?
多くの創業者の方が、「紹介を待つ」「SNSを投稿して終わる」といった受け身の営業をしてしまっています。気持ちはよく分かります。営業って、押し売りみたいで気が引けますよね。
でも、残念ながら創業間もない法人に、いきなりお客様が来ることは稀なんです。特に福岡のような地方都市では、知名度がない状態からのスタートになりますから、「待ちの姿勢」だけでは売上ゼロが長期化してしまいます。
実際にあった話なんですが、デザイン会社を立ち上げた社長が、「ホームページを作って、Instagramも毎日投稿している」と言っていました。でも、半年経っても問い合わせはゼロ。よくよく話を聞いてみると、直接的な営業活動は一切していなかったんです。SNSのフォロワーは増えていても、それが売上に繋がっていなかったんですね。
営業が苦手でも、「誰に」「何を」「どうやって伝えるか」を考え抜くことが、売上のスタートラインです。ここをクリアしないと、どんなに良い商品やサービスでも、お客様には届きません。
■ 実際に成果が出た法人の営業パターン3選
売上を早期に立てた法人には、いくつかの共通点があります。私がサポートしてきた中で、特に効果的だった営業パターンを3つご紹介しますね。
パターン1:ターゲットを徹底的に絞り込む
「誰にでも売れるサービス」は、実は「誰にも売れないサービス」なんです。売上を早期に立てた法人は、ターゲットを明確に絞り込んでいます。
例えば、あるWeb制作会社の社長は、最初「中小企業向けホームページ制作」という曖昧なコンセプトで営業していました。でも、全く反応がなかったんです。そこで、ターゲットを「福岡市内の美容室・サロン専門」に絞り込んだところ、3か月で5件の受注に成功しました。
なぜかというと、ターゲットを絞ることで、「私のための商品だ」と感じてもらいやすくなるからです。また、業界特有の悩みや課題に詳しくなれるので、提案内容も具体的になります。
パターン2:圧倒的な行動量で勝負する
売上を立てている法人は、とにかく行動量が多いです。具体的には、名刺交換100件、DM送付50通、電話営業30件といった数字を、毎月クリアしています。
ある保険代理店の社長は、創業1年目に毎日10件の飛び込み営業を続けました。断られるのが当たり前でしたが、300件訪問したうちの約10%、つまり30件が面談に繋がり、最終的に8件が契約になったんです。成約率は3%弱ですが、行動量でカバーしたわけです。
ここで注意したいのは、「質より量」ではなく「質も量も」という考え方です。最初は下手でも、行動量を増やすことで営業スキルも自然と磨かれていきます。
パターン3:最初は実績作りに徹する
売上ゼロから抜け出すには、「実績」を作ることが最優先です。そのために、最初は利益を度外視してでも、案件を取りに行く姿勢が大切なんですよね。
あるコンサルタントの方は、通常30万円のコンサルティングを、最初の3社に限り10万円で提供しました。その3社の成果を事例としてまとめ、「売上を3か月で150%アップさせた実績」として営業資料に掲載したところ、その後は通常価格でもどんどん受注できるようになったんです。
重要なのは、「売ることを目的にしすぎない」ことです。まずは「知ってもらう」「信頼してもらう」ステップを丁寧に積むことで、結果として売上がついてきます。
■ 税理士から見た「売れない会社」の共通点
逆に、売上が伸び悩む法人にも明確な共通点があります。毎月の試算表を見ながら経営相談に乗っていると、数字を見ただけで「あ、この会社は営業が足りていないな」と分かってしまうんです。
共通点1:圧倒的な行動不足
売上が上がらない最大の理由は、シンプルに「行動量が足りていない」ことです。「今月は何件営業しましたか?」と聞くと、「5件くらいです」という答えが返ってくることがあります。
正直に申し上げると、創業1年目で月5件の営業では、ほぼ売上は立ちません。見込み顧客の母数自体が足りていないんですよね。成果が出ている会社は、少なくとも月30件以上の営業活動をしています。
共通点2:コンセプトが曖昧
「何をやっている会社ですか?」と聞いた時に、明確に答えられない経営者の方がいらっしゃいます。「マーケティング支援とか、Web制作とか、あとコンサルもやっています」といった具合です。
「誰に何を提供しているのか」が曖昧だと、周囲の人も紹介しづらいですし、営業も空回りしてしまいます。「○○業界専門の△△サービス」というように、一言で説明できる明確なコンセプトが必要なんです。
共通点3:数字を把握していない
「今月は何件アプローチして、何件面談して、何件見積もりを出しましたか?」——この質問に即答できない経営者の方は要注意です。
営業は感覚ではなく、「数字」で管理するものです。アプローチ数、面談率、成約率といった数字を把握することで、どこに問題があるのかが見えてきます。例えば、「100件アプローチして1件しか成約しない」なら、アプローチ方法か提案内容に問題があるということです。
■ 営業が苦手でも実践できる5つのステップ
「営業なんてやったことないし、自信がない」という方のために、営業が苦手な方でも実践できる具体的なステップをご紹介しますね。
- ステップ1:ターゲットを絞る → 「誰のためのサービスか」を具体的に定義する
- ステップ2:リストを作る → ターゲットに該当する企業を100社リストアップ
- ステップ3:接点を作る → DM、電話、訪問など、とにかく接点を増やす
- ステップ4:価値を提供する → 売り込みではなく、役立つ情報を提供する姿勢で
- ステップ5:数字を記録する → アプローチ数、面談数、成約数を毎日記録する
特に重要なのは、「売り込み」ではなく「価値提供」を意識することです。「この商品を買ってください」ではなく、「こんな課題を解決できますよ」という姿勢で接すると、相手も話を聞いてくれやすくなります。
■ まとめ|「苦手な営業」を乗り越える3つの意識
創業1年目の営業は、結果が出なくても「まず動く」ことが本当に大切です。営業が苦手でも、以下の3つを意識して動けば、必ず変化は生まれます。
- ターゲットは絞る(誰に届けるか)
- 提案内容を明確に(何をどう解決するのか)
- 行動量を増やす(会う・送る・話す)
売上ゼロの状態は、本当に不安ですよね。でも、多くの成功している経営者も、最初は同じ状況からスタートしています。大切なのは、諦めずに行動し続けることです。
私たちも、売上ゼロの不安を抱える創業者の方に対し、数字に基づいた営業改善アドバイスを行っています。「創業後、なかなか売上が伸びない」「何から手をつけていいか分からない」——そんな時は、一人で悩まず、ぜひ専門家に相談してみてください。あなたの事業が軌道に乗ることを、心から応援していますよ。
営業戦略や売上改善についてのご相談は、こちらからお気軽にどうぞ。
