ゼロから始める創業術 Vol.78|営業利益率で自社の実力がわかる、5つの利益の意味

ゼロから始める創業術 Vol.78|営業利益率の業種別目安、損益計算書の5つの利益の意味

ゼロから始める創業術 Vol.78|営業利益率で自社の実力がわかる、5つの利益の意味

こんにちは、Fukuoka Startax税理士事務所です。
「損益計算書を見ても、色々な『利益』が書いてあるので、どれを見ればいいのかわかりません」というご相談をよく受けます。実は、創業者の多くが「利益の違い」を正確に理解していないのが実情です。

正直に申し上げると、「売上」「営業利益」「当期純利益」という3つの数字は「全く異なる意味」を持っています。この違いを理解しているかどうかで「経営判断の質」が大きく変わるのです。本記事では、損益計算書に登場する5つの利益の意味と、業種別の営業利益率の目安について、具体的に解説します。


■ 損益計算書に登場する「5つの利益」:それぞれの意味を理解する

損益計算書では、利益が段階的に表示されます。下に行くにつれて「経費がどんどん差し引かれていく」というイメージとなります。

利益①:売上総利益(粗利益)

「売上高−売上原価(商品原価)=売上総利益」
商品を仕入れて販売する場合、その「仕入原価」を売上から差し引いた数字です。これが「商品の価値」を示す最初の利益となります。売上総利益が低いと「商品の価格が安い」または「原価が高い」という問題があることを示しています。

利益②:営業利益(本業の利益)

「売上総利益−販売費・一般管理費=営業利益」
ここからが最も重要なポイントです。営業利益は「会社の本業によって出された利益」を示しています。営業利益がマイナス(赤字)であれば「本業そのものが赤字」という深刻な警告を示しているのです。これが創業者が最も注視すべき数字といえます。

利益③:経常利益(本業+財務活動の利益)

「営業利益+営業外収益(利息収入など)−営業外費用(支払利息など)=経常利益」
営業利益に「金利収入」や「銀行との利息」などの財務活動の影響を加えたものです。借入金が多い企業は「営業利益は黒字だが、経常利益は赤字」という状況も考えられます。これは「本業は儲かっているが、利息負担が重い」という意味を示しているのです。

利益④:税引前当期純利益(特別損失を含む利益)

「経常利益+特別利益(固定資産売却益など)−特別損失(リストラ費用など)=税引前当期純利益」
通常の経営活動ではない「特別な出来事」(例:土地売却の利益、工場閉鎖の損失)を反映した数字です。この数字がプラスであっても「実は特別利益が大きいだけで、本業は赤字」という可能性も考えられます。

利益⑤:当期純利益(最終的な利益)

「税引前当期純利益−法人税など=当期純利益」
最終的な利益です。この数字が「繰越利益剰余金」に加算されます。ただし、この数字には「特別損失」「法人税」など、継続的ではない要素が含まれているため「本当の経営力」を見るには適切でない場合もあります。


■ 「営業利益率」とは、本業の実力を示す指標

営業利益率は「営業利益÷売上高」で計算されます。これが「売上に対して、本業でどれだけの利益を出しているか」を示す、最も重要な指標となります。注意すべき点として「営業利益率が低い=本業の競争力が低い」という意味を示しているのです。

業種別営業利益率の目安

営業利益率は業種によって大きく異なります。自社の業種の標準値を知ることで「自社は業界平均より優れているか、劣っているか」が判断できるのです。

  • 飲食業:3〜10% → 競争が激しく利益率が低い業種
  • 小売業:2〜5% → 業種の中でも最も利益率が低い
  • 製造業:5〜10% → 設備投資と人件費がかかる
  • IT・ソフトウェア業:10〜20% → 利益率が比較的高い
  • 士業・コンサル業:15〜30% → 利益率が最も高い業種

例えば、飲食店で営業利益率が2%であれば「業界平均より低い」という警告信号となります。一方、IT企業で営業利益率が5%であれば「改善が必要」という意味になります。同じ5%でも、業種によって意味が全く異なるのです。


■ 営業利益率が低い場合の改善ポイント

営業利益率が業界平均より低い場合、どこに問題があるのかを分析する必要があります。

原因①:売上単価が低い

商品やサービスの価格が安すぎると、原価を引いた後の利益が残りません。「値上げができないか」「高付加価値商品を開発できないか」という検討が必要です。

原因②:原価率が高い

仕入原価が高すぎると、売上総利益が圧縮されます。「仕入先との交渉」「ロット購入での割引」「製造効率の向上」などが考えられるんですよね。

原因③:販管費(営業費用)が高い

人件費、家賃、広告費などの販売費・一般管理費が過度に高いと、営業利益が圧縮されます。「スリム化できないか」「デジタル化で効率化できないか」という視点が重要なんですよね。


■ まとめ|営業利益が「本業の実力」を示す唯一の指標

損益計算書に登場する「5つの利益」の中で、創業者が最も注視すべきは「営業利益」です。なぜなら、これが「本業で出された利益」を示す唯一の数字だからなんですよね。

営業利益率が業界平均より低い場合は「価格戦略」「原価管理」「販管費の削減」のいずれかに課題がある可能性が高いんです。毎月の営業利益率をチェックし「前月より改善したか」「業界平均に近づいたか」という視点で監視することが、経営の安定化につながるんですよね。

実務的には、税理士や経営コンサルタントと一緒に「営業利益率の分析」を定期的に行うことをお勧めします。数字の背景にある「経営の課題」が見えてくるからです。

営業利益率の改善や損益計算書の分析についてご不安な方は、こちらからお気軽にどうぞ。

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