ゼロから始める創業術 Vol.31|役員報酬の「最適解」は?会社と社長の“手残り”を最大化する設定術

【創業術 Vol.31】役員報酬の「最適解」は?会社と社長の“手残り”を最大化する設定術

会社を設立して最初の大仕事、それが「自分の給料(役員報酬)」を決めることです。
適当に決めると、「法人税は減ったけど、個人の税金と社会保険料で手残りがスカスカ……」なんてことになりかねません。

今回は、単なるルールの解説ではなく、経営者として絶対に知っておくべき「戦略的な報酬設定」の裏側をお伝えします。


■ タイムリミットは「3ヶ月」

役員報酬は、設立から3ヶ月以内に決定する必要があります。一度決めたら、原則として1年間は1円も変更できません。

「利益が出そうだから今月から倍にしよう」といった後出しジャンケンは、税務署が一番嫌うパターンです。万が一途中で変えてしまうと、その分は経費として一切認められないので注意してください。

■ 「社会保険料」という名の隠れた重税

若手社長が見落としがちなのが、税金よりも重い「社会保険料」の負担です。

【実例】報酬月額を40万円に設定した場合:
社長の給料から約6万円が引かれ、さらに会社側も約6万円を負担します。
つまり、額面の30%近い「月12万円」が毎月消えていく計算です。

法人税を安くするために報酬を高くしすぎると、この社会保険料で首が回らなくなる……。これが1年目の「役員報酬あるある」です。

■ 「無報酬」は融資で不利になる?

「資金繰りが厳しいから、自分の給料はゼロでいい」という男気溢れる判断。実はこれ、銀行融資を考えているなら要注意です。

  • 生活費はどうしてる?: 報酬ゼロだと、銀行から「社長はどこから生活費を出しているのか?」「会社のお金を適当に抜いているのでは?」と疑われるリスクがあります。
  • 持続性がない: 「社長がタダ働きしてようやく黒字」の会社は、健全な事業とは見なされにくいのです。

最低限、社長の生活が成り立つレベル(月15万〜20万円など)は設定しておくのが、対外的な信用にもつながります。

■ 戦略的な「ベストバランス」の見つけ方

結局いくらがいいのか? そのヒントは「税率の差」にあります。

  • 法人税率: 約23%〜33%(利益800万円以下なら低め)
  • 個人の税率: 累進課税(年収が高くなるほど爆発的に上がる)

一般的には、個人の所得税率が法人の実行税率を上回らない範囲(年収800万円〜1,000万円程度)に設定し、残りは内部留保として会社に残すのが、「会社と個人を合わせた手残り」が最も多くなる王道パターンです。


■ まとめ|「給料」ではなく「経営戦略」として決める

役員報酬は、単なる給料の決定ではありません。「会社の資金繰り」「節税」「社会保険」「融資対策」すべてが絡み合う、高度な経営判断です。

「いくらにすべきか」迷ったら、まずはこの1年の利益をコンマ単位で予測してみましょう。その予測こそが、あなたの最適な報酬額を教えてくれるはずです。

「今の利益予測でいくら設定するのが一番トクか?」
具体的なシミュレーションが必要な方は、ぜひ当事務所の無料相談を活用してください。

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