【ゼロから始める創業術 Vol.17】
「それ、経費で落とせますか?」に終止符を打つ、戦略的法人税対策
「今期、予想以上に利益が出そうだ。税金で半分近く持っていかれるくらいなら、何か買ったほうがいいのか?でも、変なことをして税務署に突っ込まれるのは勘弁してほしい……」
こんにちは、Fukuoka Startax税理士事務所の林です。
福岡の勢いある若手経営者の方から、今一番多くいただく相談がこれです。
結論から言いましょう。「何でも経費にする」のは二流の経営です。一流は「ルールを味方につけて、キャッシュを最大化」します。
節税と脱税は、スポーツのルールのようなもの。正しいフォームでプレーすれば賞賛されますが、ルールを無視すれば退場です。今回は、100社以上の法人をサポートしてきた経験から、創業期の経営者が絶対に知っておくべき「攻めと守り」のポイントを解体します。
ポイント1:その支出は「明日の利益」に繋がるか?
節税の基本は経費の計上ですが、判断基準はシンプルです。「その支出に事業上の合理性があるか?」。スーツの仕立てと同じで、あなたの会社のサイズ(事業実態)に合っているかが問われます。
【OK:胸を張って経費にできるもの】
- 天神や博多での会食代
「○○社の△△部長と新プロジェクトの打ち合わせ」と説明できればOK。領収書の裏にメモを残すのがプロの仕事です。 - 広告宣伝費
SNS広告、HP制作、福岡市内でのポスティング。売上を作るための投資は全額経費です。 - 採用・教育費
求人媒体への掲載や、社員のスキルアップのための書籍・セミナー代。
【NG:これは「脱税」になります】
- 家族との週末の糸島ドライブ(プライベートのガソリン代・飲食代)
- 私的なブランド品の購入
- 実体のない「架空の外注費」や「架空の人件費」
これらを強引に経費にするのは、スポーツで言えばドーピングです。税務調査で見抜かれれば、追徴課税+重加算税で、節税額以上のキャッシュを失うことになります。
ポイント2:「30万円の壁」を使いこなす投資戦略
「パソコンやデスク、いつ買うのが一番お得ですか?」という質問への答えは、「金額による」です。法人が使える「特例」を整理しましょう。
【10万円未満】
全額、買った期の経費になります。一番シンプルです。
【10万円以上〜20万円未満】(一括償却資産)
「3年間で均等に」経費にします。あえて3年分に分けることで、来期以降の利益を平準化する戦略に使えます。
【30万円未満】★ここが経営者の生命線(少額減価償却資産の特例)
青色申告をしている法人(中小企業者等)なら、30万円未満の資産は「その期に一括で全額経費」にできます。(※年間合計300万円まで)
例えば、決算直前に28万円のハイスペックPCを導入すれば、その28万円を丸々経費として利益から差し引けます。ただし、「期末までに納品され、業務で使用開始していること」が絶対条件です。注文しただけでは認められません。
【判断の「ものさし」】
必要なものを、この「30万円枠」を意識して購入するのが、創業期の最も賢いキャッシュフロー管理です。
ポイント3:福岡の法人専門だからこそ、お伝えしたいこと
なぜ私たちが「法人専門」にこだわるのか。それは、法人の節税には「銀行融資」という出口戦略が不可欠だからです。
福岡市はスタートアップ支援が手厚く、創業融資も活発です。しかし、節税を優先しすぎて決算書を「赤字」にしてしまうと、肝心の追加融資が受けられなくなります。
「どれだけ税金を減らすか」ではなく、「どれだけ手元にキャッシュを残し、次の投資(採用や広告)に回せるか」。
私たちは、福岡の地銀や日本政策金融公庫からの評価を逆算した上で、最適な経費計上のタイミングをご提案します。これは、個人の確定申告をメインにしている事務所には真似できない、法人特化型のロジックです。
■ 失敗を避けるための最終チェック
- 「実体」はあるか?(架空の請求書は100%バレます)
- 「期末ギリギリ」の購入に注意(納品が間に合わないと、今期の経費になりません)
- 「按分」の根拠は明確か?(自宅兼事務所の場合、面積や時間で論理的に説明できる準備を)
「これ、経費にして大丈夫かな?」と少しでも迷ったら、自己判断でリスクを取らないでください。私のお客様で、こまめにLINEやメールで相談をくださる経営者は、税務調査でも全く動じることはありません。
節税で浮いたキャッシュを、次の成長への「加速装置」に変える。それが私たちの提供する価値です。少しでも不安があれば、今すぐ福岡のビジネスを知り尽くした専門家にご相談ください。
