ゼロから始める創業術 Vol.14|これって経費になる?ならない?法人編

これって経費になる?ならない?法人編

【ゼロから始める創業術 Vol.14】
これって経費になる?ならない?法人編

こんにちは、Fukuoka Startax税理士事務所の林です。
今回のテーマは、創業者から一番質問が多いことです。

それは、「これって経費になりますか?」

毎日のように聞かれます。本当に。
「このランチ代、経費になりますか?」
「この本、経費になりますか?」
「この交通費、経費になりますか?」

気持ち、めちゃくちゃわかります。
経費になれば税金が安くなるし、できるだけ経費にしたいですよね。

でも、何でもかんでも経費にしていいわけじゃないんです。
間違えると、税務調査で指摘されて、追徴課税になることもあります。

今回は、法人を設立した方向けに、「経費になるもの・ならないもの」の判断基準を、100社以上サポートしてきた経験から、わかりやすく解説いたします。


法人の「経費」って、そもそも何?

まず、基本から整理しましょう。
法人の経費は、税務上「損金(そんきん)」って呼ばれます。

「損金になる」=「税金を計算するとき、利益から引ける」
つまり、損金が多いほど、税金が安くなるんです。

【基本ルール】

損金になるかどうかの判断基準は、シンプルです。
「会社の事業に関係あるか?」

これだけです。
事業に関係ある支出なら、基本的に経費になります。

でも、「関係ある」の判断が難しいんですよね。
そして、法人には個人事業主にはない特有のルールもあります。

設立費用、経費になる?

「会社作るのにお金かかったんですけど、これ経費になりますか?」
これ、よく聞かれます。

【答え:経費になります】

  • 登記費用(登録免許税など)
  • 司法書士への報酬
  • 定款認証費用

これらは全部経費になります。
ただし、一度に全額じゃなくて、数年かけて少しずつ経費にするんです。

これを「繰延資産の償却」って言います。
難しい言葉ですけど、要は「設立費用は会社の将来にも役立つから、長期間で経費にしましょう」ってことです。

実際の処理は税理士に任せればOKです。

家賃・光熱費、どこまで経費?

「自宅の一部を事務所にしてるんですけど、家賃は経費になりますか?」
これもよく聞かれます。

【答え:事業で使ってる分だけ経費になります】

例えば:

  • 家の面積が100㎡
  • そのうち20㎡を事務所として使ってる
  • 家賃が月10万円

この場合、20%分の2万円が経費になります。
光熱費も同じように按分します。

【注意点】

「按分の根拠を説明できるようにしておく」こと。
税務調査で「なんで20%なんですか?」って聞かれたとき、「床面積で計算しました」って説明できればOKです。

逆に、「なんとなく半分くらいかな…」みたいな適当な按分はNGです。

役員報酬、これが一番ややこしい

法人で一番ややこしいのが、役員報酬です。
社長や役員へのお給料のことです。

【基本ルール】

役員報酬は、毎月同じ金額を払う必要があります。
これを「定期同額給与」って言います。

  • 毎月30万円 → OK
  • 今月30万円、来月50万円、再来月20万円 → NG

金額を変えられるのは、年1回だけ(決算後3ヶ月以内)。
これを守らないと、経費として認められません。

【よくある失敗】

実際にあった話。
あるお客様、「今月儲かったから、役員報酬を増やそう」って、期中に金額を変更しました。
結果、増やした分が経費として認められず、税金が増えました

役員報酬は、最初にちゃんと金額を決めて、1年間変えない。これが鉄則です。

金額を決めるときは、必ず税理士に相談してください。
資金繰りも考えながら、最適な金額を一緒に考えましょう。

従業員の給料は?

「従業員の給料は、どうですか?」
これは簡単です。

【答え:全額経費になります】

従業員の給料や賞与は、役員報酬みたいな厳しいルールはありません。
業績に応じて変えてもOKです。

交際費、上限があるって知ってた?

「取引先との飲み会、経費になりますか?」
「お客さんへの手土産、経費になりますか?」

これ、交際費に該当します。

【法人の交際費の注意点】

法人の場合、交際費には上限があります
資本金1億円以下の会社なら:

  • 年間800万円まで全額経費にできる
  • または、接待飲食費の50%を経費にできる

創業期の会社なら、年間800万円も使わないと思うので、基本的には全額経費になると考えてOKです。

【注意点】

「誰と、何のために使ったか」をメモしておいてください。
領収書の裏に「○○社△△さんとの打ち合わせ」って書いておくだけでいいです。

これがないと、税務調査で「本当に事業のために使ったんですか?」って疑われます。

車、経費になる?

「会社で車を買いたいんですけど、経費になりますか?」
これもよく聞かれます。

【答え:事業で使う分は経費になります】

  • 車の購入代金(減価償却費として数年で経費化)
  • ガソリン代
  • 保険料
  • 車検代
  • 税金(自動車税など)

全部経費になります。

【注意点】

プライベートでも使ってる場合は、按分が必要です。

  • 走行距離の7割が仕事 → 7割が経費
  • 走行距離の3割が仕事 → 3割が経費

「走行記録」をつけておくと、説明しやすいです。

実際にあった話。
「全額経費にしてます」って言ってたお客様、税務調査で「プライベートでも使ってますよね?」って指摘されました。
走行記録もなかったので、結局5割だけ経費として認められることに。

按分の根拠は、必ず残しておきましょう

福利厚生費、どこまでOK?

「社員旅行の費用、経費になりますか?」
「忘年会の費用、経費になりますか?」

これは福利厚生費に該当します。

【基本ルール】

従業員全員を対象にしたものなら、経費になります。

  • 社員旅行(全員参加が前提)
  • 忘年会・新年会
  • 健康診断の費用

【注意点】

役員だけが対象のものはNGです。
「社長と役員だけで温泉旅行」→ これは福利厚生費として認められません。

従業員も含めて、みんなが対象になってるかどうか。ここがポイントです。

領収書、ちゃんと取ってますか?

経費として認めてもらうために、絶対必要なのが証拠書類です。

  • 領収書
  • レシート
  • 請求書
  • 契約書

これがないと、「本当に使ったの?」って証明できません

実際にあった話。
税務調査で「この経費、証拠書類がないですね」って言われたお客様。
「確かに使ったんですけど、領収書をなくしてしまって…」
結局、経費として認められませんでした。

領収書は必ず取る。そして、必ず保管する
これ、絶対守ってください。

保管期間は7年間です。
捨てちゃダメですよ。

迷ったら、どうする?

「これ、経費になるかな…?」って迷うこと、ありますよね。

そんなとき、自分で判断しないでください
必ず税理士に相談してください。

よくあるのが、「たぶん大丈夫だろう」って自己判断して、後で税務調査で指摘されるパターン。
追徴課税になると、本税+延滞税+加算税で、めちゃくちゃ高くつきます

「こんなこと聞いたら恥ずかしいかな…」って思わないでください。
税理士は、そのために存在してます

どんな些細な疑問でも、遠慮なく聞いてください。
それが、あなたの会社を守ることになります。


■ 最後に

「これって経費になるの?」
この疑問、創業したばかりの人なら、誰でも持ちます。

大事なのは:

  • 「事業に関係あるか?」を基準に考える
  • 役員報酬は毎月同額を守る
  • 按分が必要なものは、根拠を残す
  • 領収書は必ず取って、7年間保管する
  • 迷ったら、自己判断せず税理士に相談する

法人の経費は、個人事業主より複雑なルールがあります。
でも、ちゃんと理解して、適切に処理すれば、節税にもなるし、税務調査でも困りません

「よくわからないから、とりあえず全部経費にしちゃえ」は絶対ダメです。
後で必ず困ります。

正しい経費処理を心がけて、税務上のリスクを避けましょう。
そして、疑問に思ったら、いつでも私たち税理士にご相談ください。

あなたの会社の健全な成長を、税務・会計の面から全力でサポートさせていただきます。

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